A.O講義ノート1

精神分析における夢について


言葉にできるのは見たと思っている夢である。
見た夢そのものは不可知である。
さらに、語る相手に気を使うので(転移)、語る内容が変化する。
従って、その人の見た夢(不可知な部分)と、見たと思っている夢(語れる部分)と、伝えた夢(語った部分)は、それぞれズレている。


どうやら、精神分析(フロイト)は、このズレを読み解けると考えていたらしい。
このズレを前提とすることで精神分析が成り立っているらしい。


いったい、読み解く先にあるものは何なのだろうか。
その人の本質が見えてくるのだろうか。
それとも、別ななにか、その人の関係かなにかを照らし出すのだろうか。


ズレを読み解くという発想は新しい。


言葉は語っているその人とストレートに結びついている、と考えるのは危険だ。